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2025.03.28
健康コラム

【健康コラム】長引く咳に麦門冬湯という選択肢

こんにちは。いつもウラタ薬局のブログをご覧いただきありがとうございます。

今日は「咳がなかなか治らない…」「喉が乾燥してヒリヒリする…」という方に向けて、漢方薬である麦門冬湯(ばくもんどうとう)をご紹介します。

麦門冬湯は、古くから使われている咳の漢方薬で、特に乾いた咳や痰の少ない咳に適している処方です。風邪が治った後でも「咳だけが残る」という方には、まさにピッタリの一剤です。

麦門冬湯ってどんな薬?

麦門冬湯は、古代中国の医学書『傷寒論(しょうかんろん)』の姉妹書とも言われる『金匱要略(きんきようりゃく)』に記載されている処方です。

『金匱要略』では、以下のように記されています:

大逆上気咽喉不利するは逆を止め、気を下すところの者は、麦門冬湯之を主る

とあります。

「発作的に咳がこみ上げて顔が赤くなり、咽喉が不利で(咽喉の通りが悪く)息も苦しく、こみ上げるのを止め上気をひき下げるものは麦門冬湯が主治する」

という意味です。

肺が乾燥し、潤いが足りなくなって出る咳や、体力が落ちているときの空咳に用いる処方です。

構成されている生薬は?

麦門冬湯には、以下の7つの生薬が含まれています

• 麦門冬(ばくもんどう):肺や喉を潤す主薬。咳を和らげます

• 半夏(はんげ):痰を取り除き、吐き気も抑えます

• 人参(にんじん):体力を補い、胃腸を整えます

• 甘草(かんぞう):炎症を抑え、他の生薬を調和

• 大棗(たいそう):精神を安定させ、消化を助けます

• 粳米(こうべい):消化器を整え、滋養をサポート

• 乾姜(かんきょう):体を温め、胃腸の働きを高めます

これらの生薬がバランスよく配合されることで、咳を鎮めるだけでなく、体の内側から回復力を高めてくれるのが麦門冬湯の特徴です。

どんな人におすすめ?

以下のような症状に心当たりがある方は、麦門冬湯の適応かもしれません。

• 空咳が続いてつらい

• 喉の乾燥やイガイガ感がある

• 風邪のあと、咳だけが長引いている

• 体力が落ちていて、強い咳止めは使いたくない

• 喘息のような軽い咳が続くが、痰はあまり出ない

特にお子さまや高齢の方、胃腸が弱くて市販の咳止めが合わない方にも、穏やかに作用してくれるのが麦門冬湯の魅力です。

 

まとめ

咳は体の防御反応ですが、長引くと体力も気力も奪われてしまいます。そんなとき、「麦門冬湯」という選択肢を思い出してみてください。

当薬局では、漢方相談を随時受け付けております。咳のお悩みはもちろん、体質や生活習慣に合わせた処方提案も可能です。気になる方は、岐阜県関市のウラタ薬局にぜひお気軽にご相談くださいね。