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こんにちは。いつもウラタ薬局のブログをご覧いただきありがとうございます。
今日は「咳がなかなか治らない…」「喉が乾燥してヒリヒリする…」という方に向けて、漢方薬である麦門冬湯(ばくもんどうとう)をご紹介します。
麦門冬湯は、古くから使われている咳の漢方薬で、特に乾いた咳や痰の少ない咳に適している処方です。風邪が治った後でも「咳だけが残る」という方には、まさにピッタリの一剤です。
麦門冬湯ってどんな薬?
麦門冬湯は、古代中国の医学書『傷寒論(しょうかんろん)』の姉妹書とも言われる『金匱要略(きんきようりゃく)』に記載されている処方です。
『金匱要略』では、以下のように記されています:
「大逆上気咽喉不利するは逆を止め、気を下すところの者は、麦門冬湯之を主る」
とあります。
「発作的に咳がこみ上げて顔が赤くなり、咽喉が不利で(咽喉の通りが悪く)息も苦しく、こみ上げるのを止め上気をひき下げるものは麦門冬湯が主治する」
という意味です。
肺が乾燥し、潤いが足りなくなって出る咳や、体力が落ちているときの空咳に用いる処方です。
構成されている生薬は?
麦門冬湯には、以下の7つの生薬が含まれています:
• 麦門冬(ばくもんどう):肺や喉を潤す主薬。咳を和らげます
• 半夏(はんげ):痰を取り除き、吐き気も抑えます
• 人参(にんじん):体力を補い、胃腸を整えます
• 甘草(かんぞう):炎症を抑え、他の生薬を調和
• 大棗(たいそう):精神を安定させ、消化を助けます
• 粳米(こうべい):消化器を整え、滋養をサポート
• 乾姜(かんきょう):体を温め、胃腸の働きを高めます
これらの生薬がバランスよく配合されることで、咳を鎮めるだけでなく、体の内側から回復力を高めてくれるのが麦門冬湯の特徴です。
どんな人におすすめ?
以下のような症状に心当たりがある方は、麦門冬湯の適応かもしれません。
• 空咳が続いてつらい
• 喉の乾燥やイガイガ感がある
• 風邪のあと、咳だけが長引いている
• 体力が落ちていて、強い咳止めは使いたくない
• 喘息のような軽い咳が続くが、痰はあまり出ない
特にお子さまや高齢の方、胃腸が弱くて市販の咳止めが合わない方にも、穏やかに作用してくれるのが麦門冬湯の魅力です。
まとめ
咳は体の防御反応ですが、長引くと体力も気力も奪われてしまいます。そんなとき、「麦門冬湯」という選択肢を思い出してみてください。
当薬局では、漢方相談を随時受け付けております。咳のお悩みはもちろん、体質や生活習慣に合わせた処方提案も可能です。気になる方は、岐阜県関市のウラタ薬局にぜひお気軽にご相談くださいね。