こんにちは。ウラタ薬局の浦田です。今日はお悩みの方が多く現代病といっても過言ではない『肩こり』についてご紹介します。
肩こりは、日々の生活で最も多くの方が悩む不調の一つです。長時間のデスクワーク、スマートフォンの操作、同じ姿勢での作業などが続くと、血行不良や筋肉の緊張が起こり、肩こりを引き起こしやすくなります。そんなときに活躍するのが、体質や症状に応じて選べる漢方薬です。今回は、肩こりを和らげる漢方薬の代表的な処方の特徴や使い分け、そして日常でできる健康的な過ごし方についてご紹介いたします。
まず代表的な漢方薬として「葛根湯(かっこんとう)」が挙げられます。肩や首の凝りや痛みに加えて、発熱や悪寒など、いわゆる「風邪のひき始め」にも用いられることが多い処方です。首や肩まわりの血行を促進し、筋肉のこわばりを緩める作用が期待できるとされています。特に、比較的体力があり、寒気をともなう初期症状がある方に向いています。
次に「芍薬甘草湯(しゃくやくかんぞうとう)」です。こちらは筋肉のけいれんや痛みを抑える効果があるとされ、ふくらはぎのこむら返りや、肩や背中の強い張りがあるときに使用されることが多い処方です。他の漢方薬と併用されることも多く、症状が強い部分への即効性が期待できます。
一方、「当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)」は、冷え性をともなう女性や、疲れやすくむくみが気になる方によく用いられます。血行を促進し、体を温めながら筋肉の緊張を緩めるとされており、肩こりだけでなく生理痛や頭痛にも効果が期待できる処方です。体が冷えやすく、血液循環が悪いことで肩こりにつながっている場合によく処方されます。
さらに、加齢による筋力の衰えや腰痛も含め、体全体の冷えやこわばりが気になる場合には、「八味地黄丸(はちみじおうがん)」が選択肢に入ります。腎(じん)の機能を補うとされる代表的な漢方薬で、足腰の冷えやだるさに加え、肩や首回りの痛みにも効果が期待できます。特に中高年の方の慢性的なこりや冷えが気になる場合に用いられることが多いです。
これらの処方はあくまで一例であり、個人の体質や症状に合わせて最適な漢方薬は異なります。専門家がしっかりとご提案させていただきます。ウラタ薬局にご相談くださいね。
さらに、漢方薬だけでなく、日常の過ごし方も肩こりケアに大きな影響を与えます。まずは、長時間同じ姿勢でいることを避けることが基本です。デスクワークの場合でも1時間に一度は立ち上がって肩甲骨を回したり、首をゆっくり回したりして血行を促しましょう。また、スマートフォンを目の高さに合わせることで、下向き姿勢による首や肩の負担を軽減できます。
次に、適度な運動習慣をつけることもおすすめです。ウォーキングやストレッチ、ヨガなどで、肩や背中、体幹の筋肉をほぐしながら強化していくことで、血行が改善され、筋肉の疲労をため込みにくくなります。さらに、入浴で体を温めることや、温湿布を使ったセルフケアも効果的です。お風呂にゆっくり浸かることで血行が促進され、心も体もリラックスできます。それでもダメな場合は女性の方限定とはなりますが、本店でメディセルを使った筋膜リリースを行うこともできるのでぜひご予約くださいね。
最後に、十分な睡眠やバランスのとれた食事を意識することも忘れずに。睡眠不足は筋肉や神経の回復を妨げ、肩こりを悪化させる原因になります。食事面では、タンパク質やビタミン・ミネラルをバランスよく摂取し、筋肉の疲労回復をサポートしましょう。
肩こりは多くの方にとって身近な悩みですが、漢方薬を上手に使い分け、日常生活の工夫を重ねることで、つらい症状の緩和が期待できます。当薬局では、皆さまの症状や体質に合わせた漢方薬のご提案はもちろん、生活習慣に関するアドバイスも行っております。ぜひお気軽にご相談ください。日々のケアと漢方の力を取り入れて、快適に過ごせる肩まわりを目指しましょう。