健康のススメ

「生理前になるとイライラが止まらなくて、自分でもコントロールできないんです」
そう言って相談に来られたのは、20代半ばの女性。普段は明るく穏やかな性格の方ですが、毎月の生理前になると、急に気分が沈んだり、家族や友人にきつく当たってしまったり…。あとで自己嫌悪になるものの、どうにもならない不安定さにずっと悩んでいたとのことでした。
また、生理が近づくと胸の張り、便秘、頭痛などの身体症状も現れ、
「体も心も毎月つらくなる時期があるのが当たり前になっていました」
と仰っていました。
「PMSって仕方ないことだと思っていたけど、友達が漢方で楽になったと聞いて、私も相談してみようと思って来ました」
とご来局いただきました。
東洋医学では、PMSは血の巡りが滞っていること、特に“肝(かん)”の働きが乱れていることで起こると考えます。肝は感情やホルモンバランスと深く関係しており、ストレスや生活の不調が積み重なると、心と体のバランスが崩れやすくなります。
この方の場合も、瘀血の症状が強く見られました。そこで、血の巡りを整える漢方薬と精神的な緊張をやわらげる牡蠣肉のサプリメントを提案。また、カフェインやアルコールの取りすぎを避け、毎日の生活リズムを整えるよう、やさしい養生法もアドバイスしました。
服用を始めてから2ヶ月目の生理前、
「いつもなら爆発していたようなことが、スルーできたかも」
とご本人が驚いたように話され、3ヶ月目には
「生理が来る前の落ち込みが楽になってきた気がする」
と少しずつ変化を実感。
半年後には、以前のような激しいイライラや情緒の乱れはほとんど見られなくなり、明るい笑顔を見せてくださいました。現在も、ストレスの多い時期や季節の変わり目に合わせて、体調を調整する漢方を継続されています。
PMSは一見、心の問題に思えるかもしれませんが、東洋医学では「気・血・水」の巡りを整えることで、根本から改善をめざすことができます。生理前の不調に悩む女性はとても多いですが、「我慢する」から「整える」へと、体質に合わせたケアを始めてみませんか?
関市・各務原市でPMSにお悩みの方は、ぜひ一度ご相談ください。あなたの体と心に寄り添った漢方をご提案いたします。