健康のススメ

「靴下を重ねても、手足がずっと冷たいんです」
そんなお悩みを抱えてご相談にいらしたのは、30代後半の女性でした。お仕事は立ち仕事が中心で、日中も足元の冷えが気になり、冬場だけでなく夏でもエアコンがつくと手足が冷えてつらいとのこと。特に寝るときは、足が冷えてなかなか寝付けず、夜中に目が覚めてしまうこともしばしば。いわゆる“末端冷え性”の典型的なタイプです。
冷えに関する悩みはご本人だけでなく、ご家族からも「手が冷たすぎる」と驚かれるほどだったそうで、「市販の温活グッズを色々試しても、一時的に温まるだけで、すぐまた冷えてしまう」とのことでした。
東洋医学では、冷え性は単なる血行不良だけでなく、「気」「血」「水」の巡りが滞っていたり、体を温める力(陽気)が不足していたりする状態と考えます。この方の場合、舌の色が淡く、脈が弱めで、“気血両虚”といってエネルギーも血液も不足しているタイプと判断しました。
そこで、体の内側からじんわり温め、巡りを良くしていく漢方薬とアミノ酸をお出ししました。無理に熱を加えるのではなく、体の芯から温まるよう、消化機能(脾胃)を助けながら気血を補う処方です。併せて、食事の面では冷たい飲み物を避け、白湯をこまめに飲むことや、体を冷やす野菜の摂取を控えるようにアドバイスしました。
1ヶ月ほど経った頃、「朝起きたときの足の冷たさが少しマシになったかも」と変化が。3ヶ月後には「夜、足がぽかぽかして寝つきが良くなった」とのご報告があり、半年を過ぎる頃には「冷えを忘れる日が増えてきました」と喜んでくださいました。今では、寒い季節でも厚着をしすぎなくても平気になったとのことです。
冷え性は「体質だから仕方ない」と思われがちですが、漢方ではその体質そのものを見直すことができます。特に女性はホルモンバランスの影響を受けやすく、冷えからくる不調(頭痛・生理痛・不眠など)にもつながりやすいため、早めの対策が重要です。
関市・各務原市周辺で、手足の冷えや体の芯からの寒さにお悩みの方は、どうぞお気軽にご相談ください。一人ひとりの体質に合わせたオーダーメイドの漢方で、内側から「冷えにくい体づくり」をお手伝いします。