健康のススメ

「ステロイドをやめたいけど、やめるとすぐに肌が荒れてしまうんです」
そう話して下さったのは、当薬局にご相談に来られた10代後半の高校生の女の子でした。顔や首、肘の内側に赤みと乾燥があり、かゆみも強く、特に夏場は汗で悪化するとのこと。皮膚科で出される薬は一時的には効くけれど、「塗るのをやめるとすぐにぶり返してしまう」のが悩みで、ご本人もお母さまも「ステロイドに頼らない方法を探していた」と、漢方相談に来てくださいました。
東洋医学では、アトピーは体の内側にこもった「熱」や、溜まった「湿(しつ)」が皮膚に現れるものと捉えます。加えて、この方は受験勉強のストレスや睡眠不足、食生活の乱れも重なり、心身のバランスが崩れている状態でした。
まずはじっくりお話を聞き、体質チェックと舌や血流計を行ったうえで、彼女の体に合わせた漢方薬を提案しました。肌にこもった熱を穏やかに冷まし、かゆみを抑えながら皮膚の潤いとバリア機能を高めていく処方です。加えて、腸内環境の調整も意識して、食事や生活習慣のアドバイスもお伝えしました。
服用から2ヶ月ほどは大きな変化は見られませんでしたが、3ヶ月目に「寝ている間にかきむしることが減った気がする」と小さな兆しが。そして半年を過ぎたあたりから、肌の赤みが落ち着き、日中のかゆみも軽減。お母さまからも「薬を塗る量を減らしても、肌の状態が安定してきました」と喜びの声をいただきました。
1年後には、ステロイドはほぼ使用しなくても生活できるように。体育や部活で汗をかいても、以前ほどは悪化しなくなったとのこと。今では、体調や季節の変化に合わせて漢方を調整しながら、肌の状態を安定的に保てています。
症状がひどい時はステロイドなどで押さえてあげることも大切なことです。ウラタ薬局でもステロイドの軟膏をご提案することは多々あります。
ただ内側から漢方で体質を整えるというのも選択肢の1つにしてみてください。もちろん時間はかかりますが、根気よく向き合うことで、肌も心も少しずつ変わっていきます。
10代はホルモンや自律神経が不安定になりやすい時期でもあります。そんな時期だからこそ、「今のうちに整える」ことが、その後の肌にもつながっていきます。
関市・各務原市周辺で、アトピーや敏感肌にお悩みの10代・親御さまのご相談も増えています。どうぞ一度、当薬局の漢方相談をご利用ください。