健康のススメ

「最近なんとなく疲れやすい、夜なかなか寝付けない、朝もスッキリ起きられない…。」
そんな症状を訴える40代の男性が、当薬局にご相談にいらっしゃいました。お仕事はデスクワーク中心で、残業も多く、帰宅後もスマホやパソコンを長時間見る生活。加えて、日中に強い眠気を感じることが増え、イライラしやすくなったとのことでした。
お話をじっくり伺いながら、東洋医学の視点からお体の状態を分析していきました。脈や舌の状態、顔色、体質、生活習慣などから総合的に判断すると、「肝」と「心」のバランスが乱れ、気の巡りが滞っている状態と考えられました。特に、現代人に多い「肝気鬱結(かんきうっけつ)」の傾向が見られ、自律神経の調整がうまく働かず、精神的なストレスが身体症状として現れていると推測しました。
そこで、心身の緊張を和らげ、気の流れを整えるような漢方薬を煎じ薬として提案しました。眠りの質を高めつつ、日中の活力も補えるよう、牡蠣肉エキスのサプリメントもご一緒に続けていただくことに。また、生活習慣にも少しずつ気を配っていただき、夜のスマホ使用を控え、就寝前の深呼吸やストレッチを取り入れるようお願いしました。
服用から2週間ほどで、「夜中に目が覚める回数が減って、朝の目覚めが軽くなった」との嬉しいご報告をいただきました。さらに1ヶ月後には「仕事中の集中力が上がり、疲れにくくなった」と変化を実感され、漢方の服用はお休み。ご本人としては「薬を飲むというより、体質を整えていく感じがいいですね」とサプリメントを継続を希望され、今では季節の変わり目や仕事が立て込む時期の“メンテナンス”として活用されています。
このように、自律神経の乱れによる不調は、漢方の視点で「全身のバランスを整える」ことで改善を目指せます。特に40代は、体力の変化や社会的なストレスの影響が出やすい時期。少しでも「おかしいな」と感じたら、ぜひお気軽にご相談ください。