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2024.12.11
健康コラム

【健康コラム】花粉の漢方の選び方と生活で気をつけたいこと

 「来年は花粉が過去10年で一番飛散量が多いって言われてるんですよ」
と薬の営業さんから言われました。毎年、言われている気もしないでもないですが、まだ気象庁や日本気象協会さんの花粉飛散予報が出ていないみたいなので正確にはわかりません。

しかし一般的な傾向としては、
•前年の夏から秋にかけて日照時間が多く、気温が高かった場合は、スギ花芽が多く形成され、翌春の花粉飛散量が増える傾向にあります。
•冬から春先にかけて降雨や降雪が多い年は、花粉が飛散する時期がやや遅れたり、あるいは一時的に抑えられることもあります。
と言われています。そのため、来年は飛散量が多いと予想しているのかもしれませんね。

では早速本題に入らせていただきます。漢方では、鼻炎やアレルギー症状を「風邪(ふうじゃ)」や「水滞(すいたい)」、「気虚(ききょ)」や「血虚(けっきょ)」などといった証(しょう)を把握した上で、体質を整えることで症状を改善していきます。

以下は、あくまで一般的な使われ方や傾向で、個々の症状や体質により大きく異なることだけご留意くださいね。ウラタ薬局まで相談にお越しいただくのが難しい方のためにもドラッグストアで買えるものもご紹介させていただきます。

1. 花粉症(季節性アレルギー性鼻炎)の場合
花粉症は、ある特定の季節(スギ花粉など)に原因物質が飛散することで引き起こされます。典型的な症状は、水様性鼻汁、くしゃみ、鼻づまり、目や喉のかゆみなど。これらは「風熱」や「風寒」が粘膜を犯し、「水滞」や「湿」が加わることで悪化する、といった捉え方をします。また、体質的に「気虚」や「腎虚」がある場合、外的刺激に過敏になりやすいといわれています。

処方例:
•小青竜湯(しょうせいりゅうとう):水っぽい鼻水、くしゃみがメインで、比較的寒がりで水滞がある場合によく使われます。
•辛夷清肺湯(しんいせいはいとう):鼻づまりが強く、粘膜が炎症を起こしやすい場合に用います。
•荊芥連翹湯(けいがいれんぎょうとう):鼻炎全般、特に粘膜の腫脹や炎症が中心の症状に用いられることがあります。
•麻黄附子細辛湯(まおうぶしさいしんとう):寒がりで体力虚弱なタイプのアレルギー症状に。
•葛根湯加川芎辛夷(かっこんとうかせんきゅうしんい):くしゃみ・鼻づまりがメインで、比較的体力があるタイプに用いられることも。

2. 慢性鼻炎の場合
慢性鼻炎は、通年性で症状が持続しやすく、アレルギー性であったり、鼻の粘膜が慢性的にむくんでいたり、体質的に鼻腔粘膜が弱かったりする状態です。しつこい鼻づまり、粘性のある鼻汁、慢性的な鼻腔内炎症を伴うことがあります。疲れやすく、免疫力が低下している「気虚」状態や、冷えや血行不良、慢性炎症による「瘀血(おけつ)」、水分代謝の乱れ「湿」などが関わります。

処方例:
•辛夷清肺湯(しんいせいはいとう):慢性化した鼻炎にしばしば用いられる代表処方。慢性的な鼻づまり、粘膜炎症に対応。
•荊芥連翹湯(けいがいれんぎょうとう):慢性鼻炎や副鼻腔炎に対して、長期的な炎症の改善を図る。
•五苓散(ごれいさん)や苓桂朮甘湯(りょうけいじゅつかんとう):体内の水分代謝異常(浮腫みや水滞)が原因で鼻炎が長引いている場合に、余剰な水分の排出を促し、粘膜環境を整える。
•補中益気湯(ほちゅうえっきとう)や十全大補湯(じゅうぜんたいほとう):気虚(エネルギー不足)で免疫力が低下している場合、体質強化に用いて慢性的な炎症を改善させるサポートをする。

あくまでも例なのでなかなか改善しない方は根本から改善しましょうね。

最後に花粉の方が気をつけていただきたい生活習慣や服装をご紹介します。

1. 服装面での工夫
•素材・デザインの選び方:
花粉は繊維に付着しやすいため、表面が凹凸の少ないツルッとした素材の服を選ぶと、花粉が付着しにくく、落としやすくなります。ウールやフリースなど、毛羽立った素材は花粉が絡みつきやすいので避けます。
•コートや上着は玄関前で落とす:
外出先から帰宅したら、上着を軽く払って花粉を落とし、できれば玄関先で脱いで室内に持ち込まないようにします。花粉専用のはたきや衣類用ブラシなどを使うのも有効です。
•帽子やメガネの着用:
帽子は髪に花粉が付着するのを軽減します。つばの広い帽子やキャップで花粉の落下を防ぎ、帰宅後は屋外で花粉を払い落とします。また、花粉対策用メガネやゴーグルタイプのサングラスを使うことで目への侵入を減らせます。

2. マスクの活用
•花粉症対策用のマスク:
花粉症用としてフィルター性能の高いマスクを選ぶことで、吸い込む花粉の量を減らせます。顔との隙間が少ない立体型マスクや、花粉ブロック性能が明示されている製品が有効です。
•使い捨てか洗えるマスクを清潔に保つ:
使い捨てマスクは花粉シーズン中は1日1枚使用後廃棄、布マスクの場合は毎日しっかりと洗浄・乾燥させます。

3. 外出・帰宅時の習慣
•花粉が多い時間帯を避ける:
花粉は日中~夕方にかけて多く飛散する傾向があり、特に晴天が続き、風が強い日は要注意。外出時間をずらしたり、予報を確認して飛散が多い日は外出を控えることも有効です。
•帰宅後の対策:
帰宅時は玄関先で衣類を軽くはたき、花粉を室内に持ち込まない工夫をします。また、すぐに洗顔・うがい・鼻洗浄を行って、付着した花粉を洗い流します。
•室内の換気方法に注意:
花粉シーズン中の換気は、花粉の少ない時間帯(雨天時や早朝・深夜など)に短時間行い、換気口に花粉フィルターを取り付けるなどの対策を。空気清浄機を併用すると、室内花粉量を低減できます。

4. 生活環境の整備
•部屋の掃除と洗濯物の干し方:
花粉シーズンは室内掃除をこまめに行います。床に落ちた花粉は掃除機で丁寧に吸引し、拭き掃除も有効。洗濯物は室内干し、または花粉対策用カバー付き物干しを使うと、花粉の付着を減らせます。
•加湿器の活用:
室内の湿度を適度に保つと、花粉が舞いにくくなります。

5. 体調管理
•睡眠・食生活・ストレスケア:
規則正しい生活リズムや十分な睡眠、栄養バランスの取れた食生活は、花粉症に対する抵抗力を高める助けになります。ストレスの軽減も免疫バランスに有益です。

以上が花粉の漢方の選び方を中心とした生活で気をつけていただきたいことになります。長文となってしまい申し訳ありませんが、ご一読いただきありがとうございます。
早め早めに対応しておくことが大切です。漢方相談なら岐阜県関市のウラタ薬局にお越しくださいね。専門の知識を持ったスタッフが体質に合った漢方などをご提案させていただきます。