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2024.12.09
健康コラム

【健康コラム】風邪の時にどんな漢方を選んだらいいの?

 こんにちは。県外のお客様から
「ウラタ薬局に行きたくてもちょっとした風邪ではなかなかいけない」
「風邪の漢方を近場で選ぶときのコツが知りたい」
というお問合せを数件いただきました。ホームページでもご紹介させていただきます。

1. 葛根湯(かっこんとう)
特徴: 初期の風邪で、まだ寒気やゾクゾクした感じが強く、首や肩がこわばっているときに用いられることが多い処方です。軽度の悪寒や発熱があり、汗はあまり出ていない、肩こりや後頭部が張るような感覚がある場合に向いています。比較的体力がある人向きとされます。
ポイント: 「寒気がして、肩や首筋が張る」「熱は出始めているがまだ本格的ではない」段階に使う漢方になります。

2. 麻黄湯(まおうとう)
特徴: 強い悪寒があり、発熱はあるがまだ汗が出ていない段階で、全身がゾクゾクし、寒気が顕著な初期の風邪に用います。体力が比較的ある人で、鼻づまりや咳よりも寒気・発熱が目立つ場合に適します。
ポイント: 「ガタガタ震えるほどの寒気がある」「汗が全く出ず、熱が体にこもる」ような始まりで、エネルギーはまだ衰えていない状態です。生理中で血が弱っている時などは使用しないほうが良いかもしれません。

3. 小青竜湯(しょうせいりゅうとう)
特徴: 水様性のサラサラした鼻水やくしゃみ、鼻づまり、気管支の分泌物が多いなど、水っぽい症状が目立つ初期の風邪に向いています。アレルギー性鼻炎症状にもよく使われます。
ポイント: 「鼻水が止まらず、クシャミが出る」「気管支や鼻腔に水分が多く詰まった感じ」を伴う風邪の引き始めにおすすめです。

4. 桂枝湯(けいしとう)
特徴: 軽い寒気があるが、すでにうっすらと汗が出ている段階、体がだるく、軽度の頭痛・鼻水があるものの、あまり強い症状ではない初期に使います。虚弱気味の人にも使いやすいとされます。
ポイント: 「少し汗ばんでいる」「寒気もあるが発汗も少しある」「体力があまりない」場合によいですね。全ての漢方の基本だと言われています。

5. 柴胡桂枝湯(さいこけいしとう)
特徴: 発熱や寒気が交互に出たり、喉がイガイガして違和感があったり、風邪の治りかけで中途半端な状態に用いることもあります。初期というよりは少し進んだ段階で使われることが多いですが、微妙な往来寒熱(寒くなったり暑くなったり)を示すときに検討します。
ポイント:食欲がない時にも使われます。勉強を始めた薬剤師さんのための補足ですが、小柴胡湯と桂枝湯を合わせたものなのですが使い分けしましょう。

まとめと使い分けの目安:

寒気が強く、首肩がこわばる、まだ汗が出ない: 葛根湯
寒気が激しく、発熱強め、汗なし、体力十分: 麻黄湯
水っぽい鼻水・クシャミが主体の初期症状: 小青竜湯
軽い症状で、やや虚弱、少し汗が出ている: 桂枝湯
これらはあくまで一般的な目安です。個々の体質や症状の微妙な違いによって適切な処方は変わります。ウラタ薬局でご相談いただくと舌の状態や脈などを総合的にみて、より多くの漢方からご提案させていただきます。

風邪の引き始めに使われる代表的な漢方薬はいくつかあり、症状や体質によって使い分けることが基本となっています。漢方は「証(しょう)」と呼ばれる体質や病態の捉え方に基づき処方を選ぶため、西洋薬のように「この症状なら絶対これ」というよりは、全身状態や経過、冷え・発汗の有無、鼻水や咳の特徴などを踏まえた上で体質から総合的に判断します。上記のものはあくまで一般的な傾向であり、個人差がある事をご承知ください。似たような症状でも妊婦さんや生理中の女性と成人男性では漢方が違ったりします。
参考程度にご覧ください。

近隣の方は岐阜県関市のウラタ薬局へご相談ください。遠方の方は数種類購入し、手元に置いておいて症状を伺った上でその中からご提案することも可能です。